入荷情報
9.112025
見極めの歳月とサバの衝撃
私は50年以上生きてきた。
それは誇らしいことばかりではない。
最近は「年を取ったなあ」と思わされる場面の連続だ。
アップルウォッチをつけて若者に張り合ってみても、老眼で画面がほとんど見えない。
あと1センチ足を上げれば済むのに、つま先を引っかけて転ぶ。
これまで滅多に怒らない性格だったのに、なぜか最近は怒りの感情を覚えることも増えてきた。
そして興味の対象まで変わってきた。
ここ最近、周りで数人がやっている「韓国での脂肪冷却」にやたらと心惹かれている。
美容施術が激安で効果も抜群らしい。
「努力せずに若返れるなら…」と考えてしまうあたり、歳を取った劣等感を隠しきれないのかもしれない。
ちなみに、これはいずれ自らも治験体となり、コラムになる日も遠くないだろう。
そんな自虐を抱えつつ、先日久しぶりに東京湾へ釣りに出かけた。
釣れた魚の中に、安い魚の象徴ともいえるサバが一匹いたのだが、これが驚きだった。
東京湾のサバは「松輪サバ」と呼ばれ、すっかりブランド化している。
私は釣り歴50年。ノドグロやクエなど高級魚もそこそこ食べてきたつもりだ。
だが一周回ったせいかもしれない。今の私にとって断トツにうまい魚は、この東京湾のサバである。
ちなみに、うちの嫁もサバが大好きだ。
釣り人の特権として血抜きや神経締めで鮮度を保つが、それでもアニサキスに3回ほど当たり悶絶している。
それでもまだ食べたいというのだから、魚の魔力はすごい。
興味がある方はぜひ釣りにご案内しますので、仮入部の手続きを。
もちろん個体差はある。だが、高い魚が必ずしも美味しいとは限らない。
安くても驚くほど旨いものはある。
逆に「エセグルメ家」は、高い店=美味しいと安易に評価しがちだ。
だが実際は、店舗や演出に金をかけ、見栄えのいい部位を出しているだけのことも多い。
魚に限らず、肉も同じだ。
先日、私は北海道で“一番”と謳う高級焼肉店に招待されたが、美味さに焦点をあてると正直な感動はなかった。
それよりも、茅ヶ崎・香川駅前の「宝源」という激安ホルモン店の方がよほど心に残る。
見栄えは悪いが、旨い部分はそこにある。
私が言いたいのは、値段や見栄えに惑わされるな、ということだ。
物の価値は表面だけでは決まらない。
まやかしに高い金を払うのではなく、本質を見極める目を持つべきである。
これは魚や肉だけの話ではない。
古物商の仕事もまったく同じだ。
日々あらゆる物を査定し、真贋や価値を見抜く。
その繰り返しの中で自然と“見極めの目”が養われるのだ。
ちなみに私の場合、振り返れば、ここ5年で最も見極めが効くようになったのは……
タイ出張で遭遇する“レディボーイ”、つまりオカマちゃんの見極めかもしれない。
出張初期の頃は絶対にわからなかったのに、今ではだいぶ鍛えられた。
・・・自慢にならないか 笑
来週もまたタイ出張。
どうかまた一つ、衝撃的なエピソードに出会えることを貪欲に願いつつ、
皆さまと明日お会いできるのを楽しみにしております。
だって古物商だもの(みつを風)。
それではまた明日、市場でお会いしましょう!

