私はいつ何時でも酒宴のお誘いに対応できる様、基本的に公共機関で移動している。「今日は運転手付きで移動してます」と見栄を張った表現をしているが。先日横須賀市内で用事を済ませ、JR横須賀線の始発久里浜駅から大船駅に向かう電車内での出来事。休日でやや乗客は多いが席に座れるのは始発駅のメリット。母校である逗子市立久木中学校の通学路を車窓から眺め思い出に浸っているとすぐに鎌倉駅に到着。するといかにも鎌倉的な品のある高齢の女性が乗車し私の眼の前でつり革に捕まり立ったので、当然ここは席を譲るシーンだ。ちなみに私はダイエット中でもあるので、そもそも立っているべきだったし。しかし妄想癖の強い私は色々な事を考えてしまう。プライドが高そうなこちらのマダムに席を譲ったら逆に失礼であり、逆ギレされたらどうしよう・・と。どうするどうするーと心の中で葛藤してると、今度は席を譲らない私を見る他の乗客の目（こちらも妄想）が気になり始める。究極の選択中に出た作戦は、次の北鎌倉駅で目的地のごとく一度下車し、発車メロディが鳴ったら別車両に乗り込む戦術だ。我ながら誰も損しない素晴らしい作戦を実行する為そこで下車すると、作戦通りマダムが着席するのを横目で確認でき、後は発車メロディが鳴るまで他の車両に移動すれば。ここまでは完璧だったのだが、逗子鎌倉育ちの私なのに忘れていた事が一つ。北鎌倉駅は街の雰囲気保護の為か発車メロディが鳴らない事を。前触れ無くプシューとドアが閉まり、私は一人ホームに取り残され、せめて一日一善を遂行した自分を慰める。
　取り急ぎ次の予定がある訳でも無かったので焦る気持ちも無く、きっと明日は神様がご褒美をくれるだろうと前向きに考え、残暑の中、北鎌倉駅ホームのベンチでセミの声を聞きながら一句読む

痩せたくて　
一日一膳
ご飯もね

　さて皆様、明日も湘南オークションでお会いしましょう。時々「読んだよ」のお声がけを頂けるの、嬉しいです❤