入荷情報

タイの神様にもて遊ばれた!?天国と地獄の話

 少し季節外れだが今日は本題の前に海の危険生物「ガンガゼ」についてのお話。日本でもマリンレジャーをする人ではお馴染みの厄介者だ。見た目はウニだが普通のウニとの違いはトゲが10センチ以上の超ロング型で、それに刺されたらマリンレジャーどころでは無くなる程の毒針を所有している大変危険な生物だ。またその1本1本の針の強度は刺す時の縦の力には強いが横の力には非常に弱くもろいので、その毒針に刺されたら必ず折れて体内に残り、しかも針には細かい返しが着いているので抜けない構造の為激痛を持続させる。つまり刺されたら病院に行って切開して取り出すしか方法は無い・・・等々の情報は自称海男なので私でも知っている知識だ。昔は南国でしか見かけなかったが温暖化で今では東京湾や相模湾でも結構普通にいるので皆様も今後は海に行ったらクラゲだけじゃなくガンガゼにも注意してほしい。
 さて、昨日タイから帰国したが、今回の渡航目的は仕事以外にも知人の老若男女御一行に頼まれた観光アテンドもその一つだった為、今回選んだ観光スポットは街からボートで10分の離島へ渡り通称「天国の島」での万人ウケするバカンスをチョイスした。島に上陸し皆のリアクションが気になったが「すごーい!きれー!大しぜーん!」と、海の家以外何も無いこの島はゲスト達全員に大ウケだ。パラソル付きサマーベッドで落ち着くと南国感満載な現地人がトロピカルドリンクのオーダーを取りに来る。将来私の娘が最初の彼氏として絶対に連れてきて欲しくない感じの超チャラ男だがそれもここでは良いアイテムだ。この調子なら皆さんほっといても適当に遊ぶだろうから想定外だが自分の自由時間が出来た。やっぱ神様は日頃の私を見てくれてこんなご褒美タイムを与えてくれたのだなーと感謝する。とりあえず解散する前に注意事項として「当然病院も無いから怪我には気をつけてねー」と言った時はまだ私も他人事。前置きがとても長くなったが今回は皆様のご期待通り、私が例のガンガゼに刺され天国で地獄を見たお話だ。日頃の行いが神様の何かしらの審査に引っかかったのだろうか、ご褒美と見せかけての毒針だったのだ 笑。皆と解散し自由時間となり開放された私は安全そうな砂浜だったので裸足で波打ち際から入水して数メートル沖に歩くとどうやら海底は砂では無くガンガゼが大好きな岩場だった。危険を感じ帰ろうとして一歩を踏み込んだその時!!!足の裏からナイフでも刺さったのでは位の衝撃が走った。本当に痛い時は笑えたり時にはオネェ言葉になるのはなぜだろう。「ぐぎゃ〜!いったぁ〜〜〜ぃひひひひぃ、いやーんうそ〜あははぁ」初めての体験だがこの痛みはガンガゼだとすぐに察し、ケンケンとハイハイとほふく前進を駆使しサマーベッドまでなんとか帰り左足の裏を確認するとガンガゼの針が2本刺さり折れて中に残っている。なんせ毒があるのでその痛みはなかなかで最近下半身脱毛させられた時の痛みを超え早くも人生の痛みMAX更新だ。医療機関の無いこの島ではどうしょうも無く、翌日のゴルフの中止だけに限らず残りの現地滞在期間は車椅子になるのではないか位の覚悟すると、先程の超チャラ男が来て「俺が直してやるよ、その代わり200バーツのチップをくれる?」と言う。治療用のピンセットもお祈り用のトゲヌキ地蔵もこの島には無いだろうし、どんどん毒が周り痛みも強くなって来たからワラにもすがる思いでチャラ男に託す事とした。治療方法を聞くと「毒が広範囲に回る前にココナツ割り用のナタで足首から足ごと切り落とす」と言われ、私が完全に青ざめると彼は「イッツ ジョーク!」とハイテンションで笑っている。このタイミングでのジョークにこちらは笑うどころか殺意を抑えるのが精一杯だ。道具を調達してくると言いその場を離れた彼が他の客から何やらもらって帰ってくると、手にはコロナビールの空き瓶とカットレモンだ。「おまたせしました。カットレモンとコロナビールです」って笑えないジョークをまたやるのかなと思いきや、これが治療道具だと言う。
「おいおいおい、それこそジョークだろ?当方は医療先進国である日本での治療を普通としている日本人なんですけど!?」なんて言う暇も無く彼は患部にカットレモンを塗り込み初め、激痛で叫ぶ私。まさかこれもジョーク的治療だったら本気で許せないが、この究極的な東洋医学治療を周りの現地人スタッフ達も安心して治療をうけろと言う。ではレモンは消毒か解毒剤の代わりだとして理解しよう。が、空瓶はどおするのかと思った瞬間、ドクターチャラ男はそれをこん棒の様に握りしめ、私の患部を真上からガンガンと叩き始め私はビーチに響く程の悲鳴を上げる。絵ヅラとしては悪役レスラーの凶器攻撃の様だ。100回ほど叩かれ痛みで放心状態になっていると「無事にオペは終了した。5分で痛みが取れ歩ける。だから200バーツちょうだい」とドクターチャラ男は言う。毒針が刺さってるところを真上から叩くって信じられない理屈だし、そもそもかなりの強さで叩かれ続けたので患部には青タンができてる程で痛みは重加算。当然チップの払いは結果次第だと一度拒否すると彼はどっかに行ってしまった。それから5分後、這いつくばっていた私だったがなんと!彼の言う通り本当に痛みは全て消え、理屈は全く理解できないが普通に歩ける様になったのだ!私は本当に感謝しその後彼を見つけチップを渡した。おかげで翌日以降も全て予定通りに遂行できて今に至る。最初はいけ好かなかったチャラ男だったが、今では将来娘が彼氏として連れて来ても迎え入れてあげようと思う。皆様も日頃の行いは気を付けましょう 笑。

 それでは明日も皆様、市場で会いましょう!
 毒針刺さったままだが 笑。

ページ上部へ戻る