昔プロレス好きの友人から最初に稽古するのは受け身の訓練であり、地面に叩きつけられた時大怪我をしない為にとても重要だと言われた事がある。思い起こせば柔道家からもスタントマンからも同じ様な事を聞いた事がある。まぁ痛いのが嫌いな私には関係のない事だからその時は適当に聞いていたのだろうが。

　話は変わり先日同窓生の女性から突如連絡があり相談があるから会ってほしいと言われた。余談だが彼女は昔中学校のマドンナ的な存在で昔は手の遠い存在だった。経験から憶測すると離婚するから家財道具類を処分してほしいとか揃えて欲しいとかが考えられるが、なんせ内容は会った時に話すと。不動産業でもある彼女からの営業話や少し怪しい何かの勧誘の可能性もあるし私も多忙な為適当な事を言って断る選択肢もあったが、なんせ相手は元マドンナでもあった為アポイントを取り会いに行くことに。まぁこの辺が日本一ハニートラップにかかりやすい男と形容された事があるゆえんであり悲しい性でもある。

　しかし当日彼女の話を聞くと、近日中国人のセレブな顧客が来日しその際に５才の息子の為に中国人セレブ友達らが集まるからバースデー会をしてほしいと頼まれたので力を貸してほしいとの事だった。確かにイベント好きの私ではあるが、なかなかハードルの高いアウトソーシング、つまり外注をしてきたのだ。私は古物商であり便利屋ではないぞと言いたいところではあるがなんせ相談者は元マドンナなので快諾してしまう。

　で、昨日は私プロデュースのバースデー会がその当日だった。中国のセレブな方が喜びそうな事を事前に情報収集していた事もあり、その準備も全部出し切ったので順調に大人のセレブ御一行様は楽しんでいたが、重要な落とし穴に気付く。中国人のご両親が溺愛している主役である５才の息子を少し心配そうに見ていたので注意してその子をみると、どうやら人見知りだった様であまり楽しんでいる様には見えない。これは非常にまずいので、事前に聞いていたウルトラマン好きとの情報を最後の賭けとして行動にでる私。日本語もできるママから主役であるその子に通訳をお願いする。「私は強いから君のスペシウム光線は効かないと思うからやってみな」と。すると彼は嬉しそうに手をクロスして私に向かって光線を放ってきた。その瞬間に私はできる限りのオーバーリアクションで吹っ飛び地面に叩きつけられ転がり回る、と言った最終兵器ネタだ。これには子供もご両親も会場の皆様も、なんなら元マドンナも大喜びでかなり手応えを感じたのだった。めでたしめでたし。・・・・で終わらないのが子供だ。イベントの途中からはスペシウム光線が止まらず、その度に私は吹っ飛び転がり続けるといった、まさに体を張った若手芸人の様なさまが最後まで続く事に。お陰様で無事に成功に終わった会ではあったが今日は身体中が痛く、首や頭も痛めなかなかの代償はあったが良しとしよう。ただ一つ後悔しているのは、プロレス好きの友人の話はもっとちゃんと聞いておけば良かったかなと。

　皆さんも受け身の練習は日頃から行っておきましょう、と言った日常生活ではあまり役に立ちそうにないアドバイスで今日は閉めさせてもらう事とします。

　では明日もお会いしましょう。昨日のも読んだよーのお声がけ、いつも本当に嬉しいです　笑。