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やばい案件に足を突っ込んだ話

 日々コラムのネタに飢えている私に先日、私の仕事仲間から「良い記事が2話あるけどいる?いらないなら他に回すけど」と、まるでゴシップ雑誌の編集局に著名人のスキャンダルを売り込みに来たパパラッチみたいな事を言われた。まぁ詳しくは聞かず二つ返事で提供を望むと「へぇ、いるんですね。受け取って大丈夫ですか?まぁいるなら他は断っておくので待ってます」とまるでネットフリックスのドラマに出てきそうな緊張感のある言い回しをされた。LINEでデータ送信を希望したかったが、直接じゃないと渡せないから、また受け渡し場所を連絡すると。・・・結構危ない感じだ。考えられるのはうちの会員さんが出入り禁止になるレベルの何かをやらかしたのか、はたまた当会の会主が実は闇バイトの指示役だったのではとか、電話を切った後も妄想が耐えない。すぐに電話が来たので出ると、「倉庫で渡すが、皮は剥いだ事ある?バラせる?」と言う。ネットフリックスで観たゴールデンカムイや地面師で最近闇の世界を十分に叩き込まれた私は、これは妄想以上のやばい話に足を突っ込んだかもしれないと直感する。しかも彼の趣味は狩猟で散弾銃も所持している男だ。私が下手な対応をすると殺されかねないと思ったが、震えた声で経緯を聞くとなんと!!!どうやら『記事が2話』ではなく『キジが2羽』と、ネタの様な話だったのだ!
 「ややこしいんじゃ!!」
と人生一番の突っ込みをし誤解が解けた下りで始まる今回は、キジによるジビエ料理がとても美味しかったと言う話だ。そんな訳で翌日友人の料理人にお願いし受け取ったキジを解体からコース料理までをうちでやってくれる事になったのだが、釣り師でもあるその料理人はうちに来る前にウツボに手を噛まれ病院で外科治療を受けた後にうちへ来たもんで、私にも毛をむしり取るグロいところからの手伝い要請が。完全にびびった私は、私により極悪殺人鬼のえん罪をきせられた彼にヘルプを呼んだ。流石二人ともメンタルがなれたもので、ちゅうちょ無くうちの玄関先で毛を手際良くむしり始める。私がキャーキャー言いながら顔に手を当て女子化してオロオロしていると、そんなタイミングで下校して来たのは最近ペットを飼いたいと毎日の様におねだりしている2人の小学生姉妹だ。「何してんのー?」と近づいてくるので、私は「ダメダメー、来ちゃだめー」とバスケ選手がディフェンスするかの様に妹のドリブルを全身で妨害できたが、姉の方が私の脇の下をすりぬけ羽の散らばるゴールへと行ってしまい現場を目撃されてしまった。「げ!?パパ達一体何してんの!?」の問いかけがあったが、なんとか食育の話に切り替えた長い説明で難を逃れる。そんなこんなで苦労を乗り越え、その夜は家族や他の仕事仲間や元殺人鬼も含め、最高に楽しく美味しいキジのシャブシャブ料理を頂いたのでした。ちなみにその日は料理人の手を血まみれにしてくれたウツボも極刑を兼ねて調理されたので、キジとウツボのコース料理となったのだ。正にこの二日間はリアルでドラマの地面師とゴールデンカムイの実写版を体験できたとさ。めでたしめでたし。
 追伸:妻がたまたまその夜、防寒対策で用意してくれた羽毛布団は、寒気がして寝れなかった事も付け加えておこう。

 では皆様、明日も市場でお会いしましょう!

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