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4.32025
探偵が怖くて夜も眠れない古物商の話
先日、とある社長さんたちの集まる会に招待していただいた。
その場で行われたのが、「なぜ私は探偵会社を始めたのか」というタイトルの、探偵会社を経営する女性社長によるスピーチだった。
きっかけは、なんと「旦那の浮気」。
自分で調査を始めてみたら、意外にも才能があったそうで、そのまま探偵の道へ――。
本人の語り口も軽妙で、聞いているうちに、ぐいぐいと話に引き込まれていった。
それ以来、私は「探偵」という職業に妙に興味が湧いてしまい、いろいろと調べてみた。
ある探偵会社の報告によると、探偵業務の約7割が浮気調査らしい。
しかも、その浮気調査の結果はというと、
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約70%が“黒”=浮気の証拠あり
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約20%が“白”=証拠なし
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約10%が“調査不能”
つまり、怪しいと思われて探偵を手配された時点で、すでに7割アウトということになる。
私はもちろん、家族に愛され、誠実に生きる“白”の人間であるので、心配はしていない(笑)。
……のだが。
もし万が一、妻の中で何らかの疑惑が芽生え、こっそり探偵を雇われていたら?
そんな妄想が頭をよぎった瞬間から、急に日常がスリリングに見えてくる。
たとえば、夜中に小腹がすいてコンビニに行っただけなのに、
「対象者、深夜1時半にチョコミントアイスを購入。その後、3分間店内をウロウロ。挙動やや不審」
なんて報告書に書かれていたら、と思うと、なんだか夜も落ち着かなくなる。
あるいは、出張買取で訪れたお宅のお客さんが、
もし実はライバルの買取業者が送り込んだ探偵だったとしたら…?
「対象者、それらしい専門用語を交えながら着物の査定を開始。
“これは絞りですね”“この柄は昔は人気あったんですよね”などと語るも、
相場よりやや安めの価格を提示。
その後、広げた着物を畳もうとするも畳み方がわからず、
最終的に畳まずにそっと帰る。
よって、着物に関しては素人の可能性が高いと判断。」
…こんな報告書を読んで、ライバル業者がニヤニヤしてたらと思うと、もう夜も眠れない。
そんなこんなで最近は、何をしていても「もしかして見られてる?」とビクビク。
完全に探偵のことを調べすぎた副作用である。
だって古物商だもの。(みつを風)
それでは明日も市場でお会いしましょう!