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三流の私が一流を見たら涙が出た話

先日、20年位の友人でここ最近のプライベートでは一番長い時間を一緒に過ごしてるんじゃないかという友人から、5月10日(日)のお誘いを受けました。

「周ちゃんって、普段ライブとかコンサート行かないよね?」

私は即答。
「行かない。」

そう、しかも母の日に私が出かけるのは嫁からのマイナスポイントもでかそうだし、しかも私は基本的にああいう人混みが大の苦手です。

それに、特別好きなアーティストがいるわけでもないので、たとえ有名アーティストだったとしても、知ってる曲なんて大体2〜3曲。

残りは、
“知らない歌を延々聴いてる時間”
になってしまうので、正直あまり興味がない。

すると友人が、
「うん、言うと思った。でも今回はちょっと違うんだよ」
と続ける。

話を聞くと、
数年前から『翼の折れたエンジェル』の中村あゆみが声がけをして、毎年“母の日”に女性ママアーティスト達を集め、有名どころのヒット曲を2~3曲ずつ歌うライブなのだという。

出演アーティストを聞いて、ちょっと空気が変わった。

小柳ゆき。
大黒摩季。
相川七瀬。
土屋アンナ。
一青窈。
hitomi。

「いや、それ我々世代ではカラオケ定番なので全部、2〜3曲ずつめちゃくちゃ知ってるぞ…」

普段ライブに全く興味のない私が、珍しく食いついた瞬間だった。

さらに詳細を聞く。

会場はNHKホール。
しかも席は、3階席まであるあの紅白のホールで、
“ステージの目の前”。

アーティストとの距離、約5メートル。

……え、ちょっと待って。
それ、だいぶ凄くない?

私は普段から、
嫁ポイントを地味に削り続けている自覚があるので(笑)

「これは母の日プレゼントという名目なら、嫁にも聞いてみる」

そして値段を聞く。

「24,000円」
「・・ほうほう」

2人で24,000円は私にとって決して安くはない。

でも、あのメンバーで、
しかもNHKホール最前列クラス。

まあ、母の日イベントとしてならアリか。

そんな感じで話を持ち帰り、嫁に話をした。

すると――

予想通りというか、
予想以上というか。

世代ど真ん中なので、
嫁のテンションが一気に爆上がりした。

「えっ!絶対行きたい!!」

もう完全に目がキラキラしている。

そして私は、後日友人へ正式にお願いをした。

「じゃあ、2人分お願い!」

すると返ってきた返事が、

「了解!2人で46,000円ね!」

……。

…………。

………………え?

つまり、
“1名24,000円”。

顔が引きつる。

ただ――

もう嫁のテンションはMAX。

ここで
「やっぱ無しで」
とは、とても言えない。

しかもこれは、
これまで積み上げてきた嫁ポイントのマイナスを、
“徳政令”
にできる数少ないチャンス。

私は静かに承諾し、その瞬間から、

「向こう数ヶ月のお小遣いをどうやって生き延びるか」

という、現実的な戦いが始まったのは言うまでもない。

そして迎えた当日。

実際に行ってみると、
まず驚いたのが、
“知ってる曲しか流れてこない”
という特別感。

大黒摩季は
『ら・ら・ら』や『熱くなれ』。

相川七瀬は
『夢見る少女じゃいられない』や『恋心』。

hitomiは
『LOVE2000』や『CANDY GIRL』。

中村あゆみはもちろん
『翼の折れたエンジェル』。

小柳ゆきは
『愛情』や『あなたのキスを数えましょう』。

一青窈は
『ハナミズキ』『もらい泣き』。

どのアーティストも、
青春時代にカラオケで散々流れていた曲ばかり。

しかも彼女達は、
ただの“懐メロ歌手”ではなかった。

母になり、
年齢を重ね、
今なお第一線で歌い続けている。

その空気感というか、
人生の厚みみたいなものが、
歌の説得力になっていた。

イントロが流れた瞬間、
脳みそが勝手に20代へ戻される。

これが本物か…歌の上手い素人がカラオケで歌ってるのとは比較にならなかった。

そして土屋アンナ。

正直、私は“歌手”というイメージをそこまで持っていなかった。

でも実際に見てみると、
歌唱力、パフォーマンス力、存在感。

全部が圧倒的。

しかも4人の子供がいるとは思えないスタイルとエネルギー。

「ああ、これが女性から憧れられる女性なんだな」

というのが、ものすごくよく分かった。

逆に、私的にはあまり期待していなかった一青窈に関しては、
圧倒的な表現力とトーク力に驚かされた。

正直、事前イメージでは
“ちょっと地味なのかな”
くらいに思っていたのだが、実際には空気を作る力が凄かった。

相川七瀬やhitomiに関しては、
「え、若い頃のまんまじゃん」
というのが率直な感想だった。

なんせ距離5メートル。

テレビでは分からない肌感や空気感まで見える。

そして私が特に楽しみにしていた、
中村あゆみと大黒摩季。

迫力も声質も期待以上だった。

ただ――

その中でも、
圧倒的に心を持っていかれたのは、
小柳ゆきだった。

私は正直、歌を聴いて泣くタイプではない。

なのに、なぜか涙が止まらなかった。

「歌って、本当に感動すると涙が出るんだな」

と初めて感じた。

あの高音を、
あんなに普通に出しているように見えて。

でも実際、5メートルの距離で見ると、
顔中に血管が浮き、
マイクはかなり口から離し、
全身で叫んでいた。

「あれは才能だけじゃない。命削ってるんだな」

と、リアルに感じた。

ということで。

私は普段、
コスパ重視というか、
“B級をうまく楽しむ”
みたいな人生を送っている。

中古。
アウトレット。
型落ち。
訳あり。

だって古物商だもの。

でも今回、
久しぶりに“本物の一流”を間近で見てしまった。

やっぱり一流って、凄いんだな。

そんな事を考えさせられたライブでした。

……とはいえ、
しばらくは財布事情的に、
再び“B級ライフ”確定ですが(笑)

でも毎年の母の日、
これを恒例徳政令にするのは、かなりアリかもしれない。

なんとなく、
今後の“嫁ポイント”の使い方が、
少しずつ見えてきた気がします。

ちなみにライブからのここ1週間。

どの曲も頭の中を回り続け、
鼻歌が止まらないのは言うまでもありません。

このコラムに少しでも共感できた方。来年絶対一緒に行く事をお勧めします。

それではまた明日、市場でお会いしましょう!

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