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リサイクル通信で紹介されました

関東有力の道具系古物市場で知られる湘南オークション(神奈川県藤沢市)が進化を遂げている。落札後瞬時に記録をPC処理できるソフトを開発した。精算書発行と会計の時短に加え、道具と道具以外の並行競りを可能とした。長丁場になりがちな大規模道具市の欠点解消に向け、仕掛けを施している。

落札記録をデジタル化
会計時間30分が5分に

湘南オークションは今年で発足18年目を迎える道具系古物市場だ。開催は毎週金曜日。1日に80~100人を集め、家具家電や雑貨などを2000~3000点競り、600万~800万円の出来高を上げている。約2年のテストを経て昨秋より正式導入したという落札記録ソフトでは、競りの現場に置かれたノートPCから「売手」「商品」「落札額」「買手」を入力していくと、事務局に常設した親機のPCにリアルタイムで情報が
流れていく。

進化遅れていた道具市
手書きからPCに切換

管理のデジタル化は、ブランド市ではよく見られる光景だ。しかし道具市であまり見て、「そもそも切羽詰まって競るという習わしが道具市にはない。参加者を待たせてでも、間違いのないように紙で書きながらゆっくり競る…それが通例となり、進化が見られなかったのでは」(大小原徹代表)と話す。この進化によって可能となったのが会計の時間短縮だ。

例えば途中帰宅をしたい参加者は、勘定の意思を表明してから「5分で会計を済ませられる」(同代表)という。旧体制では、競りの現場に記録担当者が振り手に横付けする形で、落札内容を手書きで記録。これでは、計算の処理に時間がかかり、参加者が帰りたいタイミングに合わせられず、「30分程度待たせていた」(同代表)という。

人が動く市場からモノが動く市場に

同市場では道具類の ほか、週替わりでレコード、着物、ゲーム、ブランド ・貴金属、骨董を特定の時間帯に競る。これらは、「少しでも多くの業者に利用を」(同代表)との思いで商材幅を広げ今に至る。しかし、同市場のように多人数で大量商品を競る大規模の市場は長丁場になりがちで、また、自分が目当てとしない特化商材の競りの最中においては暇にもなる。そこで、道具類を競る時間帯の一部で、特化商材の競りを同時開催する形式に移行。ノートPCを各競りの現場に持ち出し、リアルタイムで落札記録を入力していく。

さらに同市場では今年から、道具競りの専用会場として、会場の一画に約50人が収容できる冷暖房完備のひな壇のスペースを設置している。「従来では物を中心に人が流れていたが、今では人が動かず物が流れていくので疲れません」(同代表)同市場は運営改善に伴い、従来6%だった通常売り歩を8%に、5%だった買い歩を6%に変更。また今後、自社で取り入れている落札記録ソフトを、同業の市場運営会社に販売することも考えている。


▲ブランド品の競り 。競りを行う各所から 落札記録をPCで入力し、精算の効率をアップ

出典 リサイクル通信

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